前立腺がんの疑い

去年のちょうど今頃、忙しく仕事をしていた。ある朝起きてトイレに行ったらおしっこがピンク色になっているのに気がついた。これは、大変かもしれないとその時頭をよぎった。

もう、1回血尿が出たら医者に行こうと決めたのだけれど、また、トイレに行ったらピンク色のおしっこが出た。これは尋常でない!すぐに近くのクリニックに行くことにした。そこはなんと言っても、泌尿器科の先生だからだ。

結構不安だった。なぜかわからないが不安がよぎった。ちょうど雇われだったけれど代表取締役が任期で降りることになっていたのとタイミングが一緒だったからかもしれない。

初診の時はドキドキしたが、小水の中には異形細胞はなく、超音波検査も前立腺肥大を指摘されたが、概ねガンはなさそうだと言う話でちょっと安堵したのだが、その時検査した血液検査の結果が重大だった。前立腺がんの指標となっている血液検査項目のPSAと称する検査値が異常に高いことが問題になった。

その値は正常値が4で自分の検査値は25だった。クリニックの医者は前立腺がんの可能性があるので、まずはイメージイングセンターでCTの検査をしましょう。と言うことになった。

元来、ビビリで小心者だから、これはどうなるのか?自分は死ぬのか?なんて事を考えてしまった。とりあえず、CT検査をそのイメージングセンターなるところで予約したので検査までどうにもならない状態になった。

当然だけど、ネットで四六時中調べ、知り合いの医者に聞きまくって自分なりに結論を出そうとしたのだが、それはそれで難しい。

どうやら、前立腺がんの可能性が高いようだ。そんなことを考えているうちにCTの検査を受けて検査結果がクリニックに届いているので来るようにと連絡が来た。

クリニックの医者は検査結果を見てちょっと驚いたようだったが、まあ、率直に診断結果を教えてくれた。医者は事実をありのままに伝えるんだと知ってはいたが、何も隠さないのだ。

前立腺がんの肺転移だと、前立腺がんでしかも肺に転移していると宣告された。そこでMRI検査をしましようと、はいとは返事をしたものの、前立腺がんの肺転移なら余命3ヶ月と言うところだと直感した。肺転移は最悪だ。死の宣告に等しかった。

ところが、あまり心が動揺していないことに後で気がついた。ビビリの小心者なのにどう言うわけか動揺していない。動揺していないわけはないのだが、それでもどうしたものかわからないが実感が湧かなかったのかもしれない。

MRI検査までは2週間ほどあったのだが、宣告されて1日が経ち2日、3日となってくると結構、心に動揺が起きてくる。MRI検査をしたらどうなるのか?結果は変わらないのじゃないかと言うより余命は肺転移だから3ヶ月程度だろうと、自分で予測してしまった。

宣告されて4日目にある決心をした。本当にガンならイヤイヤ 肺転移なら諦めなければならないと言うより今の仕事をなんとか譲っていかないとけない。

それにしても、肺転移というのは辛い。とにかく、今の自分の体の中に何が起きているのかを調べないといけない。そのためには知り合いを頼っても大きな病院で診てもらうことが必要だと決心して昔世話になった大学教授に恥ずかしながら電話をして率直に話をしてアドバイスを求めた。

やはり、率直に話をして良かった。超特急とは行かなかったが大学病院の泌尿器科に紹介されて、再度、血液検査を行いMRI検査をすることになった。

その時の血液検査のPSAの値は同じくらいだったが、大学病院の泌尿器科ではPSAの値は確かに高いがガンだと言うことはできない、そのほかの検査値はガンかガンじゃないかの境界にある。やはり、MRI検査を行うことが必要だと言う結果だった。

肺転移の前に前立腺がんかどうか検査しないとわからないらしいと言うことがわかってきた。え!前立腺がんの可能性はあるものの検査しないとわからないと言うことらしいが、やはり前立腺肥大は相当なものだと言うことはその場で宣告された。

前立腺肥大でもこのPSAの値は上昇するらしいのでMRI検査がどうやら確定診断に近いものになるらしい。前立腺のMRI検査を予約して帰ったのだが、ほっとしていいのやら悪いのやらわからない状態になってきた。

その後、MRI検査を行ったのだが、どうやら前立腺がんの可能性は非常に低いと言うことになったので経過観察ということになった。ただ、知り合いの大学教授にはタバコをやめろと強く言われて半世紀にわた喫煙に終止符を打った。

あれから、約1年経ってだいぶ調子が良くなってきたし、これからだという気持ちになってきて健康に留意するようになっている自分がここにいる。

蛇足だが、糖尿病の可能性も否定できないので運動と禁酒そして栄養管理を行なって現在に至っている。そのことについては今度書き残しておかないといけない。

今日はここまでにしておくが、1年前前立腺がんの肺転移といわれたが。誤診でよかった!そして今がある。人に感謝して生きることも大事だと改めて思った次第。

この1年を無駄にしないでこれからを大事に生きていこうと決心した。

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