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糖尿病とアルツハイマー型認知症

1、糖尿病とアルツハイマー型認知症の関係は?

90 年台後半から 2000年台前半にかけて,糖尿病が 脳血管性認知症だけでなく アルツハイマー型認知症に対しても関係があると専門家の間では広く知られてきました。2009年には、糖尿病がアルツハイマー型認知症の危険因子だと確認される研究が報告されるようになり2010 年になると疫学領域において広く受け入れられるようになりますが、一部の専門家の間だけで世間一般にはなかなか広まりませんでした。

2;やっぱり、関係が…

その理由は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症の診断が 臨床診断であったために、誤診の可能性を排除できない点が限界として指摘され、アルツハイマー型認知症の病理診断が本当に糖尿病と関連し ているか?という疑問に対して明確な結論を得ることは困難でした。

しかし,長期間にわたる詳細な観察と非常に高い剖検率を特徴とする久山町研究がその 病理学的検討において糖尿病関連要因,特に インスリン抵抗性がアミロイド沈着に強く関連 していることを報告したことによってこの議論に決着をみました。 

持続的高血糖によってさまざまな蛋白質は非酵素的に糖と結合します。例えば赤血球内のヘモ グロビンと血液中の糖が結合しての糖化産物が HbA1cの量が決まるという具合です。こうし た糖化産物はさらに反応が進むと終末糖化物とよばれるものになってきて、酸化ストレス・炎症性サイトカインの発現を惹起し動脈硬化・脳循 環不全を引き起こしてしまいます。これらの知見は主としてモルモットで確認されたものですが、動脈硬化症と脳循環不全という血管性因子が アルツハマー型認知症に対しても悪影響を及ぼしているという理解は幅広く受け入れられています。

どういうことかと言いますと、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症は二つの独立した病気ではなく相互 に重なり合う連続した概念を持つ病気だということです。

脳は糖以外のエネルギー源を利用できないため低血糖発作は神経障害に直結します。実際に低血糖発作の既往有する 糖尿病患者が認知症を発症するリスクは約 1.5倍から 2倍高いと言われています。

もう少し簡単に言うと膵臓から分泌されるインスリンによって体内の血糖はコントロールされています。役割を果たした使用済みのインスリンは、インスリン分解酵素の働きで分解されます。
このインスリン分解酵素、なんとインスリンだけでなくアミロイドβも分解します。アミロイドβの分解です!つまりインスリン分解酵素は、アミロイドβを掃き出す掃除機の役割をしています。
しかし糖尿病になると、血糖値が上がりインスリンの量が増えすぎてしまいます。すると、インスリン分解酵素はインスリンの分解に手いっぱいになってしまいます。そうなると脳の掃除まで手が回らず、アミロイドβが溜まってアルツハイマー型認知症になってしまうと考えられています。

今日は、アミロイドβはアルツハイマー型認知症の老人斑をつくります。それは、アミロイドβがアルツハイマー型認知症の原因だからです。このアミロイドβの蓄積はインスリンと深い関係があると言うところまで来ました。

もうすぐ午前0時です。今日はここまででまた明日です。