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脳の糖尿病

1、インスリン異常がアルツハイマー病などに関連しているらしい

 糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病があります。自分自身も昨年の夏頃いろいろなことがあって血糖を測定したところかかりつけのお医者さんにこのままだと死んじゃうよというくらい血糖値が高くなっていました。このことについてはまた別の機会にこのグログに書こうと思います。とにかく、全然自覚症状がなありませんのでその時点では恐ろしいと思いました。

この糖尿病には、1型糖尿病のようにインスリンが体内で十分に生産できなくなる場合と2型糖尿病のように身体の反応が不十分で生活習慣を主に発症するタイプの2種類があります。どちらにしても、循環器や心臓、脳にさまざまな問題が生じてしまう全身病です。
最近の研究では、この糖尿病に関係するインスリンがアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患にインスリンの異常が関連していることがわかってきたようです。

2、アルツハイマー病は“3型糖尿病”なんて呼ばれることも

インスリンは膵臓だけで作られ,中枢神経系には無関係だと考えられていました。今でもそう思っている人が結構多いと思いますが、約40年前の1980年代半ば,複数の研究グループが脳にもインスリンとその受容体が存在することを突き止めました。インスリンは血液脳関門を通り抜けるだけでなく,少量ですが脳でも作られているようです。
その後間もなく,インスリンが学習と記憶に重要な役割を果たしていることがわかってきます。そこでいろいろな実験が行われたようです。中でも、注射や経鼻スプレーでインスリンを投与された人はすぐに記憶テストに有意に差を認めた実験結果、そのほか学習によってインスリン値が上がるというインスリンと脳機能の関係がわかってきました。

こうした観察実験をきっかけに,S.デラモンテは,重度の記憶喪失を特徴とするアルツハイマー病にインスリンが関係しているのではないかと思い始めます。そこで、健康な人とアルツハイマー病患者について解剖で脳内のインスリン濃度とインスリン受容体数を比較調査をしたところ学習と記憶に関連する脳領域のインスリン濃度平均値は健康な人の脳がアルツハイマー病の脳の4倍も高く,受容体の数も10倍多いという結果を得ました。
 

S.デラモンテは「脳にも通常の糖尿病とまったく同じ問題が生じることがわかった」といい,アルツハイマー病を“3型糖尿病”と表現し始めました、いやいや、大胆な発想が全く新しい知見に発展したと言っても過言でありません。当然の帰着のように脳のインスリンは血液脳関門を介して身体の他の部分にあるインスリンと関連しているので,糖尿病患者はアルツハイマー病にもなりやすいという結論づけています。

なんだか、アルツハイマー病のアミロイドベーターの産生、老人斑の発生、レビー小体の発生機序、ピッグ病のピッグ小体などなど発生がインスリンと関係しているということになるとこれまた世紀の発見、認知症の治療に大きなインパクトを与えることになるかもしれません。ということで、いろいろな学者がインスリンと認知症の関係を詳細な研究調査行われているようです。

詳細まですべてわかっていませんが、インスリン神経変性疾患に深く関係していることはわかってきました。神経変性疾患の緩和や予防を目指して,インスリン機能を正常に戻す方法の開発に多くの研究者が現在取り組んでいるようですから認知症の治療薬も光が当たってくると思います。